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ホーム > 西辻一真の書き物コーナー【#031】

#031【海外へ行く若手農業者(2012年9月初掲出)】

  • 海外へ行く若手農業者
     最近、私は悩んでいます。私たちの活動場所は「耕作放棄地」と呼ばれる、もう使わなくなってしまった農地であり、今日までその場所を再生させ、人と自然が共生できる空間を作ろうと頑張ってきました。既に、100箇所以上の場所を再生へと導いてきたのですが、ある夏の雨の日、自然と人間の間にある境界について気づいたことがありました。
     そのきっかけとなった出来事があります。ある友人が「家にゴキブリが出た!何とかして!」と電話してきたこと。そして、また別の友人が「家にセミが入って来た!何とかして!」といって半分泣きながら電話をしてきたことです。考えてみてください、私が農業系の事業を営んでいるからといって、それらを処理する為に特別な能力が備わっているわけではありません。よっぽど虫が嫌いな人でない限り、簡単に、当たり前のように、誰でも対応できることだと思うのです。
     人間は自然の中から生まれてきたのです。それがいつの間にか、自然と住空間を隔て、境界を生みだしました。その境界を「人間に被害を及ぼす場所」とし、社会的な問題だと言い出しました。いまやそのトラブルを解決する為に、全力を尽くしています。人間が虫を虫として捉える時、それを害虫として扱うことが必ずあります。山と里山の間には、動物からの被害である「獣害」があるといい、海と田畑の間には「塩害」という潮の害があるといいます。そして、農地と住空間の間には、まさに「耕作放棄地」があります。
     私は幼い頃、地元福井県の耕作放棄地をこの目で見て、その地がもったいないと思ったことに始まり今日に至るまで、10年以上、耕作放棄地の解消を目指し活動を続けてきました。活動を通して私は、その「境界」を「害」ではなく「共生」できる空間へ、そして、お互いが理解できる場所へと変えることを試みています。そこには、「これをする為に生まれてきたのではないか」という使命感すらあるのです。
     おそらくこの境界では、「生産」に特化した活動よりも、「生産」を手段とした別の目的を持つような新たな産業、新たな活動が好ましいと思うのです。それによりその境界がより、社会的に重要な空間になるのではいかと思うのです。例えば「獣害」が大変なのであれば、そこを新しい形の「動物園」に変え、人と動物が交流でき、育てることができるような場所とするというのはどうでしょうか。そんな思考、イメージを持っています。
     農業を「工業化」させるだけではなく、「目には見えない大切なもの」を教えてくれる産業として、新たな市場を作り上げていくこと。これこそが私の使命だと感じています。一方、「生産」することの重要性も忘れてはいません。それ自体を目的化したものも必要なのです。さて、この二つをどうしていくか、私は今悩んでいます。
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