マイファームタイムス 編集長の行ってみた「ミライの農業をつくるインターン研修 in 宮崎」

2019年12月6日

#スタッフコラム

編集長の行ってみた「ミライの農業をつくるインターン研修 in 宮崎」

メディアでよく目にする「農業」「地域活性化」「若者」のトレンド。
でも本当にそうなの?と疑問に思うことも。
そんな思いを持ちながら、日本農業界を担う若者たちが集まる濃密な数日間「ミライの農業をつくるインターン研修」に行ってみたのでレポートです。

■ミライの農業をつくるインターン研修とは
将来、農業経営者を目指す学生が対象のための数日間の地域密着型インターン研修です。2019年は夏は北海道、秋は宮城・石川・宮崎・東京、冬は東京で計6回にわたり開催される農林水産省のプロジェクトです。

公式WEBサイトにこんなフレーズがあります。

普段の学校生活ではイメージしにくい「経営」について学ぶ合宿型研修。
経営者のお話&現場視察や、ポイントについて考えるワークを通じ、
ご自身のミライのやりたいこと・経営ビジョンを考えてきます。

これを読み解くと2つのキーワードが浮かび上がってきます。
「自分のやりたいこと」「経営ビジョン」
この2つを考える。大人でも難しい正解のない道を、実践者のもとで見て、聴いて、感じて、考える。結構、難易度高めですねぇ。

■全国から農業学生が集う
どんな学生が来るのでしょうか?
今回参加した宮崎県でのインターン研修では、九州の農業大学校の学生を中心に全国の農業学生が集まっていました。年齢は19歳~30代まで幅があり、農家出身者もいれば新規就農を目指す人、農業を通して社会実現したい何かを持つ人もいます。
最初の自己紹介時に夢も語ってもらったのですが、さすが農業を志す若者たち。具体性のある夢が多いんです。そして、「農業ってカッコイイ!」を社会に見せてやろうという気概を感じます。

■人が成長する姿をみる
宮崎でのインターン研修テーマは「経営におけるデータ活用」。
IT×農業とか、データ活用型農業ってよく聞きますよね。
それを実際に活用している農家さんに直接訊いてしまおう!というのが主な視察内容です。

▼実際の視察の様子がこちら▼

1件目は福山さん
25歳で人生設計も含めた農業のプランを数字に落とし込んだという話には学生も驚かされたようです。その長期計画を実現させるためにデータを用いていました。あんまり書くとネタバレなんですが、何度も仰ってたのは「データを使うのか?使われるのか」という言葉。福山さんは大消費地から距離のある生産地での効率化と規模拡大化を考えて、早めの導入を決めたということを念押しされていました。

ひとつひとつの話や質疑応答をデータを用いて話されるのでぼんやりさせないところが印象的でした。全て実体験を赤裸々に語ってくれるので、こういう大人のお話は引き込まれちゃいますよね。

2件目は猪俣さん
大学時代には教育学部で勉強していたキュウリ農家の猪俣さんは、ちょっとした遊び心をお持ちで、たくさんのミニゲームを交えて教えてくださいました。

どれがいいキュウリかわかりますか?

ここでも先程と同様に人生設計の話が。
「両親から継ぐとしても設備投資をする必要があると思ったんですね。設備投資するのが自分の歳をとったタイミングだと後々しんどくなるから早めに設備投資したんです」

3件目は橋口さん
今回の視察先で、最もデータ活用にのめりこまれている(?)農家さんです。
日本有数のピーマン産地で農業を継ぐからこそ、未来について深く仲間と考えた橋口さんは「理解」と「共有」に重きを置かれていました。

「今までカンで行われてたことが、産地とは言えども、そのカンを持った生産者が減少しています。そこで小学生の娘の教科書を使って、光合成から勉強し直したんです。それを数字でちゃんと理解して、誰でも再現できるように共有し合う。そうやってデータ活用することで産地を守っていきたいのです」

4件目は今井さん
今回唯一の新規就農者です。41歳で農業の世界に飛び込み、農業は情報が入りにくいと感じたそう。そこで前職では当たり前だったデータ活用を合理的に取り入れたそうです。

宮崎インターン研修は2日間。農家さんを巡ったあとは必ず振り返りのワークショップがあります。
インプットしたらアウトプットする!これが大切です。
最初は全然書けない学生たちも最終日には多めに購入しておいたポストイットが足りなくなるくらいに「感じたこと」「気づいたこと」を書き出してました。

4人の農家さんに共通していたのは「データ活用」とは目的ではなく、自分のやりたいことを実現するための方法・技術だということ。インターン研修参加前は「データ活用をどうやって導入するか」ということばかりを気にしていた学生たちも、「データ活用するために自分はどんなプランを立てるか」に着目して議論していました。

このワークショップ自体も今回の学びで得た「データ活用」のひとつですね。様々なバックグラウンドを持つ個人の知見がどんどん共有されていきます。そこで何が出てきたかの「答え」が重要なのではなく、「気づくために考えた成功体験」が重要なんです。
これからの未知数の世界を切り開く若者にとって、これこそが「底力」となると思います。

自己紹介のときには、「人見知りなんです・・・」と話していた学生も最後の方は立派に仲間と話している姿は目頭熱くなりました。
めちゃくちゃ輝いてましたよ!!

■さいごに
2019ミライの農業をつくるインターン研修 in 宮崎での様子をご紹介してきたのですが、最期にこれだけはお伝えしたいことがあります。

同じく、インターン研修に参加することは
目的✖
ではなく
方法◯
なのです!

インターンに参加する事が目的ではなく、ある目的に向かって、そのための方法として参加してほしいのです。

あなたの心からやりたいことって何ですか?
まだ見つからない人は一緒に探す仲間ときっかけを探しに行きませんか?

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12/21~24開催@東京
冬の4DAYSインターン研修
https://agri-innovation.jp/3daysintern/#section-sche

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これを書いた人
松嶺仁宏(Masahiro Matsumine)


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