2020年3月5日
イベントレポート|『2101年に向けて、今私たちが学びたいこと「農業」』マイファーム × 鎌倉投信
マイファームを応援してくださっている鎌倉投信さんと共同イベントを今年の1月25日に開催しました!
マイファームの西辻が講師となり、社会人向け農業スクール「アグリイノベーション大学校」の特別講義として「2101年にあってほしい農業のカタチ」「そのために今自分ができること、したいこと」をテーマに、グループワークを実施し、皆さまと一緒に農業について学びました。鎌倉投信の運用する「結い 2101」の受益者のみなさんとはなかなかお会いする機会がないのですが、たくさん集まっていただきうれしい限りです。
午前中は雨模様でしたが、続々と参加者が集まります。
いよいよ、講演のスタートです!
本ブログでは、講演の一部をお伝えします。
1)講演
- 鎌倉投信さんとの出会い
皆さん、こんにちは。マイファームの西辻です。
自己紹介の前に鎌倉投信さんとの想い出深い話から始めたいと思います。
今から9年前、2011年の東日本大震災の時に、マイファームは未曾有の危機に陥りました。
当時、貸農園、農業体験のサービスを主力事業としていましたが、震災による原発事故で、放射能飛来への不安から、ほとんどのお客様に貸農園を解約されてしまい、非常に危機的な状況でした。
そんな状況にもかかわらず、私は東北へ復興支援に行ってしまいました。
会社が崩れかけているなか、代表者が現場にいないということに、
一緒に働いている仲間から、「この状況は健全なのだろうか」という声があがり、会社は空中分解してしまいました。今日は、マイファームの代表者としてここに立っていますが、2012年は退任し代表者でなかったんです。
そんな未曾有の危機から復活するタイミングで鎌倉投信さんの運用する「結い 2101」から当社に投資をいただきました。
鎌倉投信さんは、当社の存在意義に加え、私の人となりや、ピンチのときにどう動いたのか、ということを注意深く見て、判断いただいたと思っています。
- マイファームが考える自産自消とは?
創業以来、大事にしている言葉は「自産自消」です。これは、私が創った造語です。
実は、めちゃくちゃ嬉しいことがありまして、約10年たった今、この言葉が辞典に載りました。
ただ、メディアの難しさというのも感じてます。私は、こんな定義は一言もしておりません(笑)。
「自産自消」(三省堂『大辞林 第三版』より)
自分で生産した食べ物を自分で食べること。
家庭菜園で農作物を収穫して、
その農作物で料理を作って食べる場合など。
私が定義した言葉は、このスライドにある通りなんですね。
自産自消ができる社会を創りたいなぁという想いから、マイファームを起業しました。
今日の催しの副題は、「2101年に向けて、今私たちが学びたいこと」なので、ここから少し、皆さんと一緒に考えてみたいなぁと思います。
実は今、農業界は、2050年が一つのカギになるといわれています。
2050年には、統計上ですが、世界の人口は、約100億人(2019年現在:約77億人)になると言われています。
どこの大学の農学部でも、「増加する人口に対応するため、食糧生産を増やし、飢餓になる人を創らない」というのが基本的な概念なんですね。
2050年に向けて、まだまだ人口が増えるので、「農作物をたくさん効率的に作らないといけないよね」ということが今も昔も変わらないメインテーマです。
農業界の出来事を簡単に振り返ると、
1800年代 産業革命 ⇒ 機械化により大量生産が可能
1900年代 品種改良 ⇒ 簡単にたくさん採れる作物
2000年代 IT革命 ⇒ 効率化
これ自体は、人口に対応するために必要なことなんですが、なかなか切ない歴史なんですね。
農業という仕事なんですが、「業」の前にあった農的な魅力が、どんどん削がれていっているんです。
「田んぼの中で一緒に田植えをすると仲良くなれる」「やっぱり野菜って旬が大事よね」「地域独特の伝統野菜の美味しさ」などが、農的な魅力の例です。
マイファームが目指す「自産自消ができる社会」とは、これ以上、「人と自然の距離を離さないということを大事にしながら生きていく社会」を指しています。
しかしながら、当社は、農業の均一化・効率化に反対しているわけではありません。私は役割分担が大事だと思っています。農業界すべてが均一化・効率化に行くことは正しくないと思っています。
どちらの世界観も大切だと考えています。
ただ、社会を見渡すと、均一化・効率化の世界観の方は儲かるから、人が寄っていく傾向があると、感じます。
均一化・効率化が儲かる世の中になっているのは、食べる私たち(消費者)の側の選択なんですね。そこはよく考えなければいけないと感じています。
- 「2101年にあってほしい農業のカタチ」を考えるヒント
今日皆さんに考えていただきたいテーマ「2101年にあってほしい農業のカタチ」を考えていただくにあたって、私も考えてきました。「農の持つすばらしさ」「こんなことって無くなってしまっていいのだろうか」という視点で、私から皆さんへの問題提起です。
当社は、毎年、未来にあって欲しい姿を皆で出し合う研修があります。
「自産自消研修」といいます。そこでは、こんな言葉が出てくるんです。
少なくとも、農に対して何かアクションを起こしている当社のメンバーは、こんなことを考えています。
後程おこなうワークショップの時にヒントになればなぁという風に思っています。
(続く・・・)
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その他にも、西辻が農を志す原体験として、幼少期の家庭菜園や、
耕作放棄地の存在に気付き、高校の先生に相談した学生時代のこと。
そして、「仙豆※をつくりたい」と胸に秘め進学した京都大学農学部時代のことや。
西辻が自身の行動規範として掲げる言葉の紹介など様々なお話しをさせていただきました。
※漫画「ドラゴンボール」に登場する架空の豆。非常に高い回復作用を持つ。
2)ワークショップ
続いて、ワークショップのスタートです。
積極的に参加いただいた皆様のおかげで、活発な意見交換がおこなわれ、「時間が足りない」という声を、多くいただきました。
一生懸命メモをする人も。
小学生~70代まで幅広い年代で意見交換しました。
(まとめ)
今回の催しを通じて、皆さんからたくさんの笑顔をいただきました。農業は畑を耕しますが、農業の話題は心も耕してくれる。素敵な時間や雰囲気をつくってくださった、鎌倉投信さん&「結い 2101」の受益者のみなさまありがとうございました!
Special thanks
鎌倉投信さんは、長期的な資産形成と社会の持続的発展を目指す投資信託「結い 2101」の運用と販売をおこなっておられます。当社のほかにも、様々な会社を応援されています。ぜひこの機会に公式HPをご覧ください。