2020年3月19日
スタッフコラム|大企業から農業ベンチャーへ 多様な人材が活躍できる職場。レンタル移籍の本質とは?
昨年の初夏、大企業からマイファームに、1人の男性が「ローンディール(企業間レンタル移籍プラットフォーム)」を通じて、出向にいらっしゃいました!彼の名は、井上雄太さん。
“レンタル移籍の本質”とは?何でしょう。
今回は、マイファームの広報担当が井上さんにインタビューしていきながら、“レンタル移籍の本質“を探っていきます。
井上さん、こんにちは!半年間のレンタル移籍、おつかれさまでした&ありがとうございました!
さっそくですが、井上さんが入社された頃からお伺いしていきますね。
マイファームのオフィスでは、社長が同じテーブルで働いている…という風景が当たり前なのですが(笑)、井上さん驚かれていましたよね。
はい、経営層の方が身近でワーカーとして働いていることに驚き、経営層の視座や判断を間近で感じることができました!
ぼくは、レンタル移籍期間中に、経営層の視座、ビジョンアプローチ、リーダーシップには触れる機会を通して、自らも体現できることを目標にしていました!
ただ、最初は新しい職場になれることに必死で目標を振り返っている暇もなかったのが率直な感想です。
井上さんは、すぐスタッフと打ち解けていましたね。職場に慣れるためにどんなことを心掛けておられたのですか?
メンバーとの信頼関係を築けるよう、日々の挨拶や会話をするように心掛けてました!あとは、自身でできる仕事をさがして実施するようにしてました。(エアコン掃除、郵便物、ごみ捨て、雑用)
あーーー!!!そうでしたね!!
井上さんはいつもオフィスを掃除してくれて、率先してゴミも捨ててくれていたのは印象的でした。出向で任されたミッションもあるのに、社内のことを率先して対応してくれる姿が素敵だなと思っていました。最初から心がけてくださってたんですね。
気になっていたのですが、井上さんは、マイファームに来た初日から、所属している大企業の勤務先のことを“前職”という言葉で話していました。なぜ、前職と言っていたのですか?
半年間で自分の会社という意識は持つために、「日々の意識から変えないといけない!」と思って、わざと前職と言っていました!
半年間での自分のビジョンを具現化するために、自分はマイファームの社員であること、という意識付けをされていたのですね!
いつも積極的でどんどんプロジェクトを進めていた井上さんですが、マイファームで働きながら、うまくいかなったことはありましたか?
できることに勝負しすぎて、チャレンジしてなかった、ことですね。
営業案件でも必要な知識が少なすぎてうまく返答できないことも多々あり、もっと農業面にも足を踏み込んでいかなければと痛感したりしていました。
入社2カ月目頃から姿勢を方向転換しなければいけないなと思い、自分が所属するユニット以外の情報を拾いにいけるようにツールを手配したり、実際に現場に赴いたり、農業知識の自己啓発したりと動き始めていました。
また、自分ができない仕事にもチャレンジしていきたいので、会社の全体日報に宣言、上司にもその意を伝えて、やらねばならない状況を作って自分を鼓舞したりしました。立ち止まることがリスクになってしまうので。
「立ち止まることがリスク」
半年間のレンタル移籍の本質を探ろうという企画なのですが、刺激を受けまくっています(汗)ベンチャーにいるのに、立ち止まってしまう自分はいったい何なんだろう。
ベンチャーで働いて、一番大きな気づきはなんでしたか?
「とりあえず行動する」です!
どんなに良いアイデア、仕組みを考えたとしても、運用するのはヒト。
これは以前から思っていたことですが、ベンチャーで働くようになってから、個人の熱量を上げること、組織として熱量が上がりやすい環境を作る、人財を育てることの重要性を感じています。
所属する勤め先では準社員を一番のアトラクションとしているが、大切なのは育成の仕組みじゃなくて、育てよう、成長しようという熱量を現場に生み出すヒトなんだろうなと思いました。過去の自分を振り返って、その熱量を生み出すことに全力だったかといわれると反省です。
「とりあえず行動する」は今の自分に刺さる言葉です…。
マイファームは、若手でも、自由にやりたいことや夢や目標を掲げて働いていいという、非常に風通しのよい会社です。ただ、農業の新しい仕組みをつくり、新しい考え方を世の中に伝播していくことにチャレンジしているので、前例がないことが多いです。そして、同じ仕事をする人も社内にはいないからマニュアルもありません。おおよそのガイドラインに沿って、自分で考えてGO!というスタイルです。
私自身は広報という仕事を担っています。マイファームの理念や思い、関わるお客さんも企業さんも自治体のみなさんのことも大好きです。それゆえ、日々の活動を言葉や写真、動画で多くの方にシェアして広めたい!思っています。
ただ実際のところ、何が正解?結果でなかったらどうしよう・・・と心配は山済みで、諦めることやチャレンジすることから逃げることもあります。
今読んでいただいているレポートも、「広報の取り組みだ!」と思って書き始めましたが、実際誰が読んでくれるのかもわからないし、この記事を書いている時間の使い方すら自信がない。どんだけ自信がないねん!とメンバーに突っ込まれるかもしれません(笑)
話は変えて、マイファームで働いて、一番変化したことはなんですか?
「意志決定の速さ」です!
とりあえすやってみる。この意識は確実に定着してきていると思います。
失敗してもリカバリーできないことはない。と自分に言い聞かせ、どんどん試すを実施しています。
とくに作物は植え時を逃すとアウトなので、これだ!と思ったときに迅速に動くことを意識しています。
実行はできていますが、細かな実行に対しての振り返りができておらず、PDCAを短いサイクルでまわしていくことを習慣化することを今月は意識していきます。
「作物は植え時を逃がすとアウト!」ーーー!当社が掲げている自産自消を体現した表現です。
「自然から学ぶ」=農業は判断の連続、自然災害もいつくるかわからないし、防ぐこともできません。だからこそ、雨の日の前日は種をまく、苗を植えます。判断の積み重ねが結果を生みます。
きっと人生も同じですよね。
タイミングが来た時にさっと動けるように、日々判断を積み重ねて動いていく。
結果が出るかわからないけど、努力を積み重ねることはできるーー。
「とりあえずやってみる」「立ち止まることがリスク」
大事なのはこの2つ。私は果たしてできているのかな・・・。
半年間のレンタル移籍。
井上さんが携わった仕事のプロジェクトは、マイファームにとても大きい成果です。
半年間でしたが、私たち社員に大きな刺激をたくさん与えてくださいました!
そして、大切な仲間が1人できたことが何よりもの宝です。
井上さんはローンディールの懇親会等に参加する度、マイファームはめちゃくちゃおもしろい会社だよ、と話してくださっているそうです、涙がでるほどうれしい。
レンタル移籍の本質とは?
先日、井上さんの担当上司が話してくれました。
「ローンディールの仕組みを使って、半年間の移籍を利用する意図は、短期的な即戦力はもちろんだけど、もう1つ裏のミッションがあったんだよ。マイファーム在籍4~5年の社員に刺激を与えること。限られた期間で、結果にコミットする勢いで働く同世代の社員が突然やってきたら、どうなるか?井上くんの存在が、マイファーム社員に刺激を与えることができる、僕はそう思ったんだ」
↑井上さんの上司を担当した田村さん。
はい、裏ミッション成功ですね。
外部から期間限定でやってきた井上さんが、めちゃくちゃ頑張っている。楽しんでいる。結果を残している。
「チャレンジすることから逃げている自分はいったい何をしていたんだ」、と自分が恥ずかしくなります。
レンタル移籍の本質は、“周囲に熱量を伝播させること“
多様な人材を受け入れることで、受け入れた本人だけでなく周囲も活躍できる可能性を広げていく、そんな仕組みだと思いました。
【参考情報】
■レンタル移籍の仕組み
*レンタル移籍:研修・出向等の企業間契約に基づいて、人材が元の企業に在籍したまま期間を定めて他社で働く仕組み。現在は主にイノベーション人材・次世代リーダー育成に取り組む大企業から、事業開発力を強化したいベンチャー企業へのレンタル移籍が主な活用方法。
ローンディールについてはこちらをご覧ください。