2025年7月1日
スタッフコラム│元理科教員、教科書を超える学びを求めて次の挑戦へ
皆様こんにちは。
マイファーム アグリイノベーション大学校チームの田井と申します。
私は大学の農学部を卒業後、中高の理科教員として生徒たちと向き合ってまいりました。
2023年にマイファームへ入社し、関西で、社会人向け農業学校「アグリイノベーション大学校(通称AIC)」の事務局として業務にあたりました。
先月、関西から関東に拠点を移し、現在は新たな環境で、AIC横浜農場の実習やオンライン講義などを担当しています。
本日は、これまでの歩みとこれからの目標についてお話しさせていただきます。
■農業と教育の可能性を求めて
中高の理科教員時代は、教室での授業や担任業務、部活動の指導、校務分掌など多忙な日々でしたが、その中で生徒の変化や成長を見届けることが励みとなっていました。
一方で、授業では教科書の内容を教えることで精一杯となり、もっと実践的で生徒の心に響く指導ができたらという思いをずっと抱いていました。
そんな中、探究学習の一環として学校にある小さな畑の管理を担当することになりました。
都会育ちの生徒たちは土に触れるのを嫌がるのではと不安もありましたが、実際には生徒たちは生き生きと畑作業に取り組み、土や野菜に触れる時間を楽しんでいました。
虫を気にする様子もなく、野菜の成長に目を輝かせ、収穫の喜びを分かち合う生徒たちの表情は今でも鮮明に思い出されます。
その姿を見たとき、農業には教科書以上の学びや体験を生徒に提供できる力があるのだと気づかされました。
私はもともと田舎で育ち、祖父母の畑や田んぼの手伝いを通じて農業が身近な存在でしたが、その価値を深く意識することはありませんでした。
生徒たちの姿を通して、逆に私自身が農業の価値や可能性を教えられたように思います。
この体験がきっかけとなり、農業を教育にもっと取り入れたいという強い想いが芽生えました。
しかし、教員としての多忙な日常の中で、自分の理想とする農業と教育の融合を実現することは難しいと感じるようになり、新たな道を模索し始めました。
その過程で、「農業と教育」というキーワードで調べ、株式会社マイファームにたどり着き、門をたたく決意をしました。
↑ 勤務していた学校で、卒業式の呼名をしている写真です
■関西の2年間での学び
入社後は、AIC大阪農場と京都農場での実習運営や説明会に携わり、農場の現場でさまざまな学びを重ねてきました。
それぞれの農場での実習講師である神川健太先生や上村慎二先生は、同じ作物を育てる中でも考え方や教え方に違いがあり、土や環境、地域性の違いによって生育状況が変わることを肌で感じる日々でした。
現場の環境に合わせた栽培や管理の工夫、指導の方法を学ぶ中で、農業の奥深さや幅広さを実感することができました。
特に印象に残っているのは、野菜の片付け作業の際に
「作業の同一性が大事。同じ向き、同じ結び方で統一することで作業効率が格段に上がる」
というお話を聞いたときのことです。
栽培の方法については書籍やインターネットで学ぶことができますが、こうした現場での効率化や工夫は、実際に経験を積み、現場の声を聞くことでしか得られない貴重な学びだと感じました。
2年目からは京都農場の実習運営を主に担当し、上村先生や農場長と相談を重ね、受講生にとって3時間の実習がより実り多い時間になるよう工夫を重ねました。
年間を通じた作業の流れを見通し、できる限り多様な作業を体験してもらうこと、毎回の実習や講義で明確な狙いを持つことなど、受講生の学びを最大化する仕組みづくりに力を注ぎました。
こうした経験を通じて、農業の知識や実習・講義の組み立て方、事務局として運営・指導・伴走といった多面的なサポートのあり方を学びました。
多くの方々の支えの中で、少しずつ成長することができたと感じています。
↑ 京都農場では、最終実習で次の受講生に畝を立ててプレゼントします
■関東への異動と新たな学び
昨年12月、関東の人員を補強するための、異動の打診を受けました。
これまで京都から出るつもりはなく、初めは戸惑いもありましたが、年齢的にもこの機会を逃せば二度と関東に移ることはないのでは、と考えるようになりました。
新たな土地での生活は不安もありましたが、人生は一度きりであり、今だからこそ挑戦できることがあると感じ、関東への異動を決意しました。
関東に移ってからの1か月は、新たな環境に少しずつ慣れながらも、多くの新鮮な刺激を受けています。
初めてリアルでお会いする社内の皆さん、訪れる場所や見る景色すべてが新しい学びとなっています。
オンライン講義の運営をしていたので、既に関東の受講生の皆さんにも顔を知っていただいていたこともあり、「実際にお会いできてうれしいです」と声をかけていただくこともあり、大きな励みになっています。
また、横浜農場での千葉康伸先生の講義は、関西で営農されている先生方とはまた異なる視点が多く、日々新しい学びにつながっています。
↑ 横浜農場での実習の様子①(玉ねぎの収穫)
↑ 横浜農場での実習の様子②(畝立て作業)
先日千葉農場を訪れたので、あとは埼玉農場で、私は関西・関東のAIC農場をすべて訪問することになります。
AICは関東に3農場(横浜・千葉・埼玉)、関西に2農場(大阪・京都)あり、それぞれに農場担当の講師がいるので、各地域、講師の営農スタイルによって様々な視点の学びが得られることが魅力だと、今まさにリアルで感じています。
また、千葉市ふるさと農園や神奈川県愛川町の茶園など、関西ではなかなか訪れることができなかった関東の場所にも足を運ぶことができ、マイファームの事業の広がりを肌で感じることができています。
■まとめ
関西での経験や多くの方々とのつながりに支えられ、関東でも自信を持って業務に取り組めています。
これからは関東に新たな風を吹かせ、より良いAICづくりに貢献していきたいと考えています。
この異動を一つの大きなきっかけとして、新たな取り組みや事業にも積極的に挑戦したいと考えています。
アグリイノベーション大学校は、次期の2026年3月の開講に向け、現在リニューアルを進めています。
10月ごろには新たな情報をリリースする予定です。
各農場での受講体験イベントも開催しておりますので、ぜひ一度AICの農場に足を運んでいただければ幸いです。
私自身は横浜農場におりますので、お越しいただけると大変うれしく思います。
▽ アグリイノベーション大学校 公式サイト
https://agri-innovation.jp/
★最後までお読みいただきありがとうございました!
マイファームでは、これまでの農業経験の有無を問わず「自産自消できる社会」っていいな、と共感したメンバーが集まっています。スタッフ自身が、誰よりも自産自消を楽しみ、農や自然への理解を深めながら働いています。
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