2023年11月24日
自産自消とSDGs:自産自消のできる社会は、持続可能な社会である。│特集・自産自消 Vol.2
その字の通り、自分で生産したものを自分で消費すること。つまり「自分でつくって、自分で食べる」ことです。この「自産自消」という言葉は、マイファーム代表の西辻がつくった造語です。2007年に体験農園の事業からスタートしたマイファーム。2023年現在は「農」にまつわる様々な事業を展開しており、そうした多面的な活動の一つひとつがつながり、循環していくことで、人と自然の距離が近い「自産自消」のできる社会を目指しています。
この「特集・自産自消」シリーズでは、当社が目指す「自産自消」のできる社会について、様々な切り口から掘り下げていきます。
前回の記事では、「自産自消」という言葉の意味と広がりについて説明しました。
そしてマイファームが、人と自然の距離が近い「自産自消」のできる社会を目指して活動していることをお伝えしました。
▽ 前回の記事はこちら
「自産自消」とは:自分でつくって食べることで、人と自然の距離を近づける。│特集・自産自消 Vol.1
マイファームは、「社会をつくる」という大きな目標を掲げています。
では、現在の社会にはどのような問題があり、それらはどう解決しようとされているのか、そして今後はどのような社会の在り方が求められているのでしょうか。
今回はその1つの切り口として、「SDGs」を取り上げてみたいと思います。
■SDGsと農業は密接に関わっている
ここ数年で「SDGs」という言葉が日本社会に浸透しました。
すでにご存じの方も多いと思いますが、SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことで、2016年〜2030年までの15年間で世界が達成すべきゴールを表したものです。
持続可能な未来を築くための、17のゴール(目標)と169のターゲット(達成基準)で構成されています。
貧困や飢餓、環境問題、経済成長、ジェンダーなどの、現在世界が直面している幅広い課題の解決を目指しています。
【参照】国際連合広報センター「SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは?17の目標ごとの説明、事実と数字」
日本の農業分野においても、SDGsの達成に向けての取り組みが多くみられます。
そもそも農業は、自然や環境に大きな影響を受ける・与える営みです。また食料を生産することが主な目的です。
SDGsの中には「食料問題」や「環境」に基づく項目が複数あり、それらは農業と密接に結びついています。
農林水産省も、「SDGsの達成に率先して貢献しつつ、消費者の行動や他分野からの投資を主導することで、新たな成長につながる可能性がある」としています。
つまりシンプルに言い換えると、『SDGsを目指すことは農業の成長にもつながるよ!』ということです。国としても、SDGsの実現に向けて積極的に取り組む姿勢を見せています。
日本の各企業もこの「SDGs」という言葉を掲げて、様々な取り組みを行っています。
たとえば農林水産省のウェブサイトには、食品系大手企業による取り組み事例やインタビューが多数掲載されています。
食と農は、SDGsとの親和性が非常に高い分野であると言えます。
【参照】
農林水産省「トピックス1 食料・農業・農村とSDGs(持続可能な開発目標)」
農林水産省「SDGs×食品産業」
■「自産自消」とSDGsのつながり
ではマイファームではSDGsに対して、どのような取り組みをしているのか。
実は、マイファームではあえてSDGsに向けた取り組みはしていません。
というのも、マイファームは「農」にまつわる多面的な事業を展開していますが、先にも書いたように、SDGsで掲げられる目標はそもそも農業と密接に結びついているものが多いため、あえてSDGsをうたう必要がないのです。
SDGsのために企業活動を行うのではなく、企業活動そのものがSDGsに直結している、と考えています。
下記の図をご覧ください。
※当ウェブサイト「IR情報」ページ内 2023年中期経営計画資料(2023年8月)より
この図は、マイファームが目指す「自産自消」のできる社会と、「農業」「人々」「自然」「経済・社会」との関係を示しています。
「自産自消」のできる社会は、「人々」「自然」「経済・社会」「農業」のバランスがうまく取れている状態です。
マイファームが事業として行っていることは、
・農の体験(農業体験事業)
・農業を学ぶ(農業教育事業)
・農産物を生活者へ(食の流通事業)
・新しい農業のかたち(農産物生産事業・研究開発・農業コンサルティングなどの新規事業)
の4つの領域に分類されます。
それら4領域の事業は、それぞれ「人々」「自然」「経済・社会」「農業」と結びついています。
そしてその「人々」「自然」「経済・社会」「農業」は、それぞれSDGsの各項目に関連しています。
したがって、「自産自消」のできる社会を目指すことは、SDGsを目指すことにもなる、ということになります。
SDGsには17の目標があり、1つだけを単独で達成すればいいものではありません。社会における問題はそれぞれが絡み合っているので、並行・連携して対策を進めていかなければ意味がなく、SDGsの各項目はつながっています。
マイファームの事業も、そうしたつながり、つまり「循環」を重視しています。
■マイファームの事業のポイントは「循環」
さきほど、マイファームの事業には
・農の体験(農業体験事業)
・農業を学ぶ(農業教育事業)
・農産物を生活者へ(食の流通事業)
・新しい農業のかたち(農産物生産事業・研究開発・農業コンサルティングなどの新規事業)
という4つの領域があると書きました。
それら4領域の事業間のつながりを説明するものとして、下記の図があります。
※当ウェブサイト「会社案内」ページより
マイファームの事業・サービスは、この「自産自消の循環の輪」として表されています。
ここでは細かくは説明しませんが、マイファームの事業のポイントは、事業と事業がつながっていること、つまり「循環」です。
農にまつわる様々な事業を行っていますが、それぞれの事業が輪となってつながり、循環しています。
循環は、直線ではなく輪です。
直線のようにまっすぐ伸びていくイメージではなく、輪がだんだん大きくなっていくようなイメージで、それぞれの事業と会社の成長をとらえています。
循環は、持続可能です。
マイファームがそんな事業の循環によって目指すのが、「自産自消」のある社会。
“自分でつくって自分で食べる”経験を通じて様々な気づきを得ることで、人と自然の距離が近づいている社会です。
そんな「自産自消」のある社会は、SDGsで目指すのと同じ、持続可能な社会です。
■大切なのは「人」
社会をつくるためには、「人」の生活行動を変えることが必要です。
マイファームは、様々な事業を広く行うことで人々のあらゆる日常に接点を設けています。
そしてそれらの事業をつなげ、循環させることで、1つの事業・企業では難しいような「自産自消」のできる社会をつくる、という大きな目標に向かっています。
また事業を進めるにあたっても、「人」を大切にしています。
多くの工場があるとか潤沢な資金があるとかではなく、「人」が重要な資産であると考えており、人の成長を大事にしています。
次回の記事では、そんな「人」や「働き方」にフォーカスをあててみたいと思います。
《『特集・自産自消 vol.3』に続く》
⇒ 自産自消な会社の働き方:自然界が多様性に富むように、働く人の多様性がパワーになる。 │特集・自産自消 Vol.3