2020年10月29日
スタッフコラム│SDGsから考える有機JAS認証取得
株式会社マイファームでは、「自産自消」ができる社会をつくる、という理念のもと、農業界を応援する様々な活動を行っています。
今回は、注目度の高いキーワードとなっている「有機JAS認証」と「SDGs」にスポットを当てたいと思います。
オーガニック生産者とSDGs
SDGs(持続可能な開発目標)については、すでにご存じの方が多いと思います。2016年〜2030年までの15年間で世界が達成すべきゴールを表したもので、17の目標と169のターゲットで構成されています。
農業分野においては、過去100年ほどで主流となり急成長を遂げてきた近代農業のあり方が、気候変動、森林破壊、土壌劣化、水不足、生物の絶滅、土壌・水・大気汚染など、様々な環境問題の要因となっており、社会問題の一つとして議論されています。
化学農薬・化学肥料に依存する近代農業が始まったのは1920年代。
それからちょうど100年のいま、この高度な集約的農業システムを見直す意味でもオーガニックはもっと注目されても良いのではないでしょうか。
では、オーガニックで実現できるSDGsにはどんなものがあるのでしょう。
例えば、
2.飢餓を0に
オーガニック栽培では、地域の資源を循環させて使用し、周辺環境にも最大限配慮した栽培方法を心掛けます。持続可能な農業生産は飢餓リスク軽減につながります。
3.すべての人に健康と福祉を
化学合成された肥料や農薬、抗生物質の使用が私たち人類、自然、環境にどんな影響を与えるのかまだ正確にはわかっていないこともあります。ただ、オーガニックではこれらを避けて生産することで、すべての生物に配慮しようという側面があります。
6.安全な水とトイレを世界に
肥料の過剰投入によって地下水や海水が汚染されています。藻の大量発生や多くの海洋生物を失うことにもつながっています。水はすべての環境とつながっていることを知り、土壌に投入するものを環境に配慮した選択をする必要があります。
12.つくる責任つかう責任
オーガニック生産者の多くは、自然由来の地域資源を選択して使い、それらを地域で循環させて農産物を生産しています。
13.気候変動に具体的な対策を
たとえば、農産物に被害を与える虫などに対して化学農薬などで直接アタックするのではなく、生態系を生かした環境づくりや生物多様性による共生によって、気候変動が引き起こす様々な被害を少なくすることはできます。
15.陸の豊かさを守ろう
いま、地球上の農耕地の3分の1が土壌劣化によって農業生産できなくなっています。農業生産ができないほどに劣化した土地では、いきものも生きることができません。持続可能な農業生産はすべての命を大切にするためにも必要です。
私たちが生きるために欠かせない食。
世界中のすべてのひとに関係があることだから、それを作る農業に関しても理解を深めたいですね。
有機JAS認証で叶えられる未来
—日本の農産物は安心安全?—
先のトピックを見る限り、日本の農産物が安心安全なのかはよくわからなくなったのではないでしょうか?
日本では、使用する農薬については農薬取締法で使用量や処理方法などのルールがきっちりと決まっていて、出荷の際に生産記録を求められることからも、日本の生産者は記録管理も含めてしっかり管理されているケースが多いです。
ただし、ヨーロッパでは使用禁止農薬となっていても日本では使用できる農薬があるなど、安全性に不安が残る部分もまだあります。もともと、かなり厳しい審査を受けているので、大丈夫という考え方もあります。
しかし、何十年と継続的に使用をした場合や使用者の子孫へどんな影響があるのか。
その疑問に対して解を持っている人は誰もいません。
一方で肥料については、もちろん肥料取締法という農薬があり、品質などについて厳しいルールがあります。ただ、使用量などには特に制限がなく、使用する生産者の判断にゆだねられています。
記録管理されているから安心なのかというと、自分で自分の農産物は安全安心ですからーー!と叫んでも、本当かどうかはよくわからないですよね。
ただ、本当にたくさんの日本の農家さんとお会いしている弊社のメンバーから見ると、日本の農家さんはきちんと作っていて安心だなと思うことが多いのは事実です。
—私たち消費者の食品の選び方—
「顔が見える野菜」が流行したのは一昔前のお話です。顔が見えてわかるのは安心“感”だということに気付いた消費者が増えてきたように思います。もちろんそれがよく知っている人の顔なら“安心”になりますが。
ここで紹介したいのは第3者認証という仕組みです。有機JAS認証やGGAP認証、JGAP認証などがこれにあたります。農産物にこれらのマークが付いているので、消費者は見分けることができます。
詳細はここでは割愛しますが、生産記録、圃場管理記録、農産物が出荷まで汚染されないオペレーション、近隣農家の生産方法を把握しておくことなど、これらをきちんと行っているかどうかを第3者である認証機関の検査員が審査をして認証を付与するわけです。
今回のテーマである有機JASについて、有機JASマークのある食品は、環境に配慮した生産方法で栽培された農産物である証です。有機農産物を選択することで、SDGsに取り組むこともできるのです。
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これを書いた人
小野寺玲奈(Rena Onodera)