2024年1月18日
自産自消な会社の働き方:自然界が多様性に富むように、働く人の多様性がパワーになる。 │特集・自産自消 Vol.3
その字の通り、自分で生産したものを自分で消費すること。つまり「自分でつくって、自分で食べる」ことです。この「自産自消」という言葉は、マイファーム代表の西辻がつくった造語です。2007年に体験農園の事業からスタートしたマイファーム。現在は「農」にまつわる様々な事業を展開しており、そうした多面的な活動の一つひとつがつながり、循環していくことで、人と自然の距離が近い「自産自消」のできる社会を目指しています。
この「特集・自産自消」シリーズでは、当社が目指す「自産自消」のできる社会について、様々な切り口から掘り下げていきます。
前回の記事では、「SDGs(持続可能な開発目標)」と「自産自消」の関係について掘り下げ、「自産自消」のある社会は、SDGsで目指すのと同じ、持続可能な社会であるとお伝えしました。
▽前回の記事はこちら
自産自消とSDGs:自産自消のできる社会は、持続可能な社会である。│特集・自産自消 Vol.2
SDGsで目指す、地球環境を守りつつ経済成長も同時に行う「持続可能な社会」を実現するためには、人々の「働き方」も重要なポイントになります。
実際にSDGsの中にも、「8 働きがいも経済成長も」という、働き方に関する項目があります。
また、日本では2019年に働き方改革法(正式名称:働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)が施行され、現在進行中で働き方の改革が進んでいます。
【参照】
国際連合広報センター「SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは?17の目標ごとの説明、事実と数字」
厚生労働省:「「働き方改革」の実現に向けて」
今回は、この「働き方」をテーマとして、マイファームの働き方について紹介させていただきます。
■「植物」をイメージした組織図
働き方の話の前に、当社の組織図について紹介させてください。
一般的な組織図とマイファームの組織図では、大きく異なる点が1点あります。
それは、経営陣やバックオフィスが下、現場スタッフが所属する各事業部(ユニット)が上に配置されているという点です。
※なおこの組織図は社内限定版で、対外的には一般的な組織図も使われます
これは植物、木や花をイメージしています。
役員が下から水や養分を吸い上げ、それぞれの事業やスタッフが花開く。
そういうイメージで組織が捉えられています。
■マイファームでは、自分で働き方を選ぶ
それでは、マイファームの働き方についてご紹介します。
マイファームは、「一人ひとりが、自分の働き方を自分で決める」がポリシーの会社です。
以下に具体的な制度の一部を紹介します。
①リモートワークOK・フレックスタイム制
代表的なのは、勤務場所はオフィスに限らず「リモートワーク」が可能で、勤務時間も全員一定ではない「フレックスタイム制」であることです。
2019年末頃からのコロナ禍で、社会的に一気にリモートワークが広がりました。
当社でもそのころからリモートワークが増えたのは確かですが、実は、それ以前からリモートワーク(2013年ごろは「ノマド」と言ってました)的な働き方が可能でした。
というのも、当社は体験農園事業からスタートした農業ベンチャーです。
各地に点在する農園や農場の現場で働くスタッフ、営業で外回りするスタッフ、オフィスで働くスタッフ、それらのハイブリットであちこちで働くスタッフ、と様々でした。
「毎日、みんなが同じオフィスに出社する」ということはありません。
つまり、リモートワークはある意味必然でした。
△ スーツで畑に営業に行く、代表の西辻(2013年ごろ)
また、仕事の現場が農園や農場、つまり畑であるスタッフも多かったので、たとえば雨が降ったら作業ができなかったり、真夏は暑くて日中の作業ができないことがあります。
したがって、9時~18時は必ず勤務しなければならない、といった決まりのない「フレックスタイム制」も、前述のリモートワーク同様に自然な流れとして浸透しました。
その後、会社の成長に伴って、それらが制度として確立されたという形です。
ただし、「自由」であるためには、「自立と自律」が重要です。
スタッフ全員が自分勝手なふるまいをすれば、組織はすぐに壊れてしまうでしょう。
「自分の働き方を自分で決める」は良いことばかりにも聞こえますが、逆に言えば「自分で決めなければならない」という難しさもあります。
②働く頻度や時間が選べる
1週間の勤務日数や1日あたりの勤務時間についても、個々人が選ぶことができます。
多いのは「週5日、1日8時間勤務」ですが、それ以外だと例えば「週3日、1日8時間勤務」や「週4日、1日6時間勤務」をしているスタッフが複数います。
理由はそれぞれで、小さい子どもがいる育児中のスタッフが1日6時間の時短勤務をしているパターン。あるいは社外で自分のやりたいことをしていて当社での勤務は週3日にしているというパターンなどがあります。
会社側の要請と本人の希望がマッチすることが大前提にはなりますが、ひとり一人の生活や希望に応じた働き方が可能です。
③やりたいを応援する
さらに、「個人の成長が、会社の成長になる」という考え方のもと、以下のようなオリジナルの制度を設けています。
■半期プレゼン・JJチャレンジ
…半期に一度、社員全員が集まって、自分の半期の成果と次の半期の目標を発表するプレゼン会です。
自分が本気でやりたいことを自分で決めて(=JJチャレンジ/自産自消チャレンジ)、他メンバーの前で発表します。
△ 以前は一堂に会して行っていましたが、ここ数年はオンライン開催です
■ジョブローテーション
…社内に多様な事業があり、拠点も分散している当社では、事業部間・エリア間の異動を積極的に奨励しています。
社員自らの希望による場合と、事業部からの公募による場合があります。
▽ ジョブローテーションについてのスタッフコラム
スタッフコラム│「ジョブローテーション」で得られた、わたしらしい働き方。
■水やり休暇
…法定の有給休暇とは別に、年10日を上限に取得できる有給休暇です。行き先に指定はなく、農や自然に触れる活動であればOKで、自分への”水やり”として取得できます。
▽ 水やり休暇についてのスタッフコラム
スタッフコラム│「水やり休暇」で念願の車中泊。移動距離1571.3kmの冒険!
自由でやりがいのある働き方ができる一方で、休日も違う、時間帯も場所も、働くスタイルも違うメンバーが、互いに尊重し、自立した状態でありつづけるために、こうした制度を設けています。
■多様性がパワーになる!
ここまでで紹介したように、当社のスタッフは自分で働き方を選ぶので、ひとり一人の働き方が多様です。
それに加えて、事業内容も多様で、場所も分散しているので、スタッフの所在地が日本全国に散らばっています。
※当ウェブサイト「IR情報」ページ内 2023年中期経営計画資料(2023年8月)より ※クリックで画像拡大
また、男女比はほぼ半々です。
育児休暇は、男女ともに取得ができるよう支援しています。
※当ウェブサイト「IR情報」ページ内 2023年中期経営計画資料(2023年8月)より
自然界は、多様性の宝庫です。
多様な生きものがいるから、変化に強く、何かあっても壊れることなく、持続することが可能です。
人間の社会や組織も同じように、さまざまな働き方が可能な環境で、さまざまな人が存在することで、変化に強く、持続可能な組織ができます。
多様性がパワーになる。
人間も自然の一部であると考えると、そうした気づきも見えてきます。
△ 畑に出ると、土の上にも下にも多様な生き物がいることに気づきます
■農ある働き方・農ある暮らしへ
農業や自然との距離が近づくことは、生活を豊かにします。
では、普段の生活の中に「農」を取り入れるにはどうしたらいいのでしょうか。
ちなみに当社のスタッフの中には、業務の中で畑の現場作業をしているメンバーもいますが、仕事では土に触れないデスクワーク中心の人もいます。
ただ、社内には「農」への接点が多くあるので、「生ごみをコンポストにしました」や「家で味噌づくりをしました」といった会話が自然と発生する環境です。
△ 自宅ベランダでパイナップルを育てる猛者も…!
マイファームは、多くの人が生活の中に日常的に自然に接する時間を持っている状態、すなわち「農の日常化」を目指して活動しています。
「農の日常化」をし、人と自然の距離を近づけるためには、人と農、人と自然の多様な接点を設けることが必要です。
すなわち、多様な取り組みをする必要があります。
たとえば「体験農園マイファーム」の利用者は、家から通える距離にある農園(畑)で、野菜づくりをされています。平日は仕事で、週末だけ農園に通っているという方も多いです。
また、「アグリイノベーション大学校」は、本格的に農業を勉強したい方が農業の経営と技術を学べる社会人向けの農業スクールです。週末のみ開講の学校なので、平日は仕事をしている方がほとんどです。
当社のサービスの利用者は、農家・農業従事者として本格的に農業に取り組むのではなく、生活の一部に「農」を取り入れています。
こうした人たちを増やしていくことが「自産自消」のできる社会につながると私たちは考え、日々事業運営に取り組んでいます。
次回は、そうしたマイファームの具体的な取り組みについて紹介したいと思います。
《『特集・自産自消 vol.4』に続く》
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